がんになって、よかったこと。

ステージ4の大腸がんになっておこった生活や思考の変化を率直に書きます。ネガティブなことばかりではなく、実はポジティブなことも多いのです。

20171110_エンタテインメントは人を救う、ということ(その1)。

2011年3月11日。

多くの方にとってまだ記憶に新しい、未曽有の大災害が日本を襲った日。

 

その時日本中はいわゆる【自粛ムード】に包まれ、大手企業は一時的にTVCMを辞めたりミュージシャンがライブを中止したりお笑いイベントがなくなったりした。日本中が大変な時にエンタテインメントを流すことをマスコミが恐れた。そしてきっと、エンタテインメントに携わる多くの人たちは、映し出される荒廃した街並みや悲しむ人々を見て、エンタテインメントはそこに直接的に救いを差し伸べられない、もどかしさを感じたのかもしれない。

 

でも、ラジオから流れる一曲が被災者の心の疲れを癒したり、お笑い芸人との握手が心を和ませたり、マンガ家の描く有名キャラクターのメッセージが子ども達の笑顔を引き出したり。どうしようもない困難に直面する人々にとってエンタテインメントは、日々の緊張状態を緩和し、リラックスするためには必要不可欠だったのではないだろうか。

 

何故このことを思い出したか。

それは、状況は違えど僕が今まさにどうしようもない困難に直面し、またエンタテインメントに救われたと実感しているからだ。

 

僕は現在、抗がん剤4クールを終え、来る手術に向けて体中をくまなく検査している真っ最中。体の上から下から管を入れられ、あらゆる画像診断機で内臓を見透かされ。そして手術のあとも、もう4クール、抗がん剤治療が待っている。やることが明確になった良さがある反面、襲ってくる苦しみが具体的に想像できることが、正直に言ってキツイ。

 

そんな中で、例えば同じがん患者の方の体験談や、がんでなくてもなんらかの困難に立ち向かっている人の話には、今現在一時的に、まったく興味が向かない。

 

理由は簡単で、自分が今自分の知りうる人の中で一番困難に立ち向かっていると思っているから。実際そうでなくても、そう思わないとやってられない心境だから。

 

頑張ってますトークが書きたいわけではないのですが、率直な状況と心境としてはそんな感じです。特に抗がん剤治療中は体だけではなく頭もぼんやりするので、あまり何かを深く考えたりすることは出来ないし、したくない。

 

そういう時、僕を救ってくれたのはエンタテインメント。

今現在とは全く異なる世界を見せてくれることで、困難を一時的に忘れさせてくれる。ふっと息が抜ける。楽になる。そして、頑張ろうと思える。そんな心のエネルギーをくれるエンタテインメントに今現在僕は救われているし、今後もとても大事にしたいと思う。

 

特に今回の闘病生活中に助けられた(ハマった)3つのエンタテインメントについて皆様にも是非知って頂きたく、以下にてご紹介させていただきます。

 

交響詩篇エウレカセブンエウレカセブンAO、ハイエヴォリューション含む)

https://ja.wikipedia.org/wiki/交響詩篇エウレカセブン

素敵な作品をありがとうBONES!ありがとうバンダイナムコ

2005年から2006年の一年間、日曜朝に放映されていたアニメ。ええ、アニメです。本編と続編足して全74話、動画配信サイトで見まくりました。まさか自分が35歳にもなってひたすらアニメを見る大人になるとは思いませんでした…。

少年とヒロインとのボーイミーツガールな淡い恋愛を軸にしたロボット、宇宙人、カウンターカルチャー、青年から大人への成長譚など、いわゆる男の子が大好きな要素がふんだんに盛り込まれた作品。宗教対立や人種差別などの社会問題も随所に盛り込まれていて、楽しいだけではなく問題提起もくれる作品です。ガンダムよりはエヴァンゲリオンに近い、けどもう少しライトでハッピーな世界観、といった感じでしょうか。

本編は最近となっては珍しい全50話なので相当根気強く見続けて頂く必要があります(25×50=1250分=20時間以上!)が、その価値はあると思っています。因みに僕はゲッコーステイトのリーダー、ホランド推しです。自由奔放で乱暴、わがままだった青年が、主人公レントンとの対立やヒロインであるエウレカとの精神的な別れ、また自身が親になることなども通して青年から大人に成長していく。そして大人として、次代を担う子供たちを守ろうと新たな旗を掲げチームを引っ張っていく…あー、たまらん。また見返そう。

 

続編のAOは世界観が全く異なってて、最初は戸惑いましたが、まあなんだかんだ楽しめました。

 

そして…今年2017年9月15日から公開された『交響詩篇エウレカセブン ハイエヴォリューション1』もちろん、見に行きました(ちゃんと週末に)。本筋を大事にしつつ、レントンビームス夫妻の養子というアナザーストーリーで物語が展開する。本作品よりも家族間の葛藤や巣立ちが色濃く作られていて、二児の父としては子ども側にも両親側にも感情移入できてしまう、素敵な作品になっていました。本編でホランド役だった藤原啓治さんが収録当時は病気療養中だったこともあり、代役の森川智之さんが今回の映画のホランド役を担っているわけですが、藤原さんに寄せて演技してくださっているお陰で大きな違和感なく見ることができました。

三部作ということで、来年再来年の2作目3作目も楽しみです。

生きる理由が増えました。

 

エウレカ愛が強すぎて、書き過ぎました。

あと2つは別のブログで。