がんになって、よかったこと。

ステージ4の大腸がんになっておこった生活や思考の変化を率直に書きます。ネガティブなことばかりではなく、実はポジティブなことも多いのです。

20180419_休職期間に関する備忘録3‗家族、特に子ども達との日々について。

■家族、特に子ども達と濃密な時間を過ごすこと、について:

・治療のための休職とはいえ、副作用には波があり、まったくベッドから起き上がれない日もあれば公園で遊びまわれるぐらい元気な日もある。投薬のスケジュールによってその波はある程度予測が出来るので、体力の許す限り子ども達と濃密な時間を過ごそうと思いました。そうでなくても、子ども達は大きくなるに従って親と過ごす時間は短くなるでしょうし、その時にああしとけばよかったと思っても遅いなと思いましたし、今せっかく時間があるなら、それはやはり子ども達に費やしたいな、と。

(思い出作りって言葉はなんとなく作為的な印象があって好きではないですが、まあそういう意味合いです)

・というわけで、時系列で整理すると以下のような感じ。

【12月】

・入院/退院/自宅でほぼ寝たきりの自宅療養だったのでアクティブに動くということは出来ず。

【1月】

・次女の誕生日に思い立って横浜への一泊二日旅行を敢行。アンパンマンミュージアムにも行く。3歳の次女は狂ったように滑り台を上り滑りして楽しんでくれていたが、7歳の長女は周囲が小さい子ばかりだったこともあり照れてあまり快活には遊べなかった様子。そうか、もうそういうのを気にする年頃かと少し感慨深くなる。

・4月に就職を控えた従弟(国立大学大学院修士)が遊びに来てくれる。子ども達と一緒に踊ったり棒取りゲームで遊んだり。夕食は雪見鍋(大根おろしをたっぷり入れた寄せ鍋)を囲む。

・近所の、地元では有名な焼き肉屋に家族4人で初参戦。肉嫌いの長女はひたすら韓国のりでご飯を食べるというコスパの良さ。

・記録的大雪が積もり、雪だるまづくりにいそしむ。誰かが作った一段目に対し二段目を作って乗せるだけという省エネ仕様。

 

2月…

・僕以外3人の運動不足解消に向けて、『頑張りシートシステム』がスタート。これはすごろくのような台紙を用意し、それぞれに『何を何回したら1マスシールを張る』と決め、誰が早くゴールまで張れるかを競うもの。初回は『腹筋10回につき1マス』に決まる。普段腹筋嫌いの長女が1日で10マス以上進むという快挙を成し遂げ、子どもの秘めたるエネルギーに驚愕する。可視化って大事だなと思ったし、人の心に火をつける方法って色々あるなと身をもって実感しました。

・バレンタインデー。長女が妻と一緒に作った手作りチョコをもらう。前日、包装用紙の買い出しに付き合っており、『これは友達用』と買った綺麗な箱を僕用に使ってくれたことに感動。7歳ってもうこういうサプライズが出来ちゃうのか…。

・東京お台場の日本科学未来館で行われた『生き物になれる展』に参戦。ダンゴムシやペンギン、ライオンになり切ってその生態を楽しく勉強。とても混雑していたけど一通り見ることが出来て大満足。ダンゴムシの扮装(黒い鎧のようなものを背負う)はゴキブリにしか見えない…。ペンギンはなぜか滑り台を滑って大きなサメの口に飛び込むという恐怖仕様。

 

3月…

・四谷で行われた、『女性向け健康増進フェスタ』になぜか長女が興味を持ち、参戦。目玉は某調剤薬局チェーンが開催する『薬剤師のお仕事体験』とのこと。大好きなママが薬剤師ということもあり、その仕事を追体験したいという思いだった様子。行ってみると大盛況。シュールだったのは薬剤師体験ブースと同じ部屋に『大腸がん体験トンネル』があったこと。子どもが入れる大きさのトンネルの中で、『がん細胞を見つけて数を教えてね、正解者にはメモ帳プレゼント』なるイベントもやっており、長女次女ともに勇んで参加、メモ帳ゲット。次女に至ってはトンネルが気に入ったようで何度も出入りして担当のお姉さんを困惑させる始末。おとうさんも困惑だよ。

・次女が突如じんましんを発症。理由はおそらく前日夜、当日朝に食べた山芋。体中に発疹が出て痒そうだったこともあり、朝昼晩で処方された薬の昼分を保育園に持っていくイベントが突如発生。甘いシロップながら頑として飲まない次女に対し、やむなくチョコレートアイスに混ぜ込み、デザートと称して与える。本人は『アイスでじんましんが治るんだぁ』と喜んで朝晩は食べるも、まさか昼も父がわざわざ食べさせにくるという状況に困惑。職員室で先生に見られながら食べるのが恥ずかしいということで保健室を借りてこっそり食べる。恥じらいながらこそこそ食べるアイス、美味しかっただろうし、見てるこっちもにんまり。あーカワイイ。

・長女の読書感想文が区の小学校向け文集に掲載される。学校からは1学年で0~1人掲載される中での快挙。普段の勉強を見ていても決して文章題は読み飛ばすし音読もそんなに楽しんでいるタイプでもなかったので、親としてはとても驚いた。初めて読んだその読書感想文は本の紹介から感想にとどまらず、自身及び家族の類似エピソードも紹介し、最後できちんと締めくくるという(親バカですが)完璧な構成。先生の協力があったとはいえ、彼女の想像以上の文章力に驚嘆。

・母の誕生日を自宅で開催。プレゼントは長女チョイス。父が百貨店で商品を選び、写真を(店員さんの同意を得て)撮影し、最後長女に選んでもらう。父の推しとは違う商品を選ばれちょっと残念だが、彼女のセンスを信じて購入、母も喜んでくれてよかった。

・長女の同級生が九州に引っ越すということで、近くの児童館を貸し切ってお別れパーティ(という名のただ施設で遊び倒すだけの会)。平日の午後開催ということもあり参加した子どもは10人程度だったものの、10人集まるともうカオス。あっちでおままごと、こっちで戦いごっこ、そこではピアノ…。そこでは普段家で見せる顔とは違う長女の様子も知れて、よかった。家では、ともすれば粗暴で言葉も強くてエネルギーを持て余して周囲にぶつけるタイプの子なので、お友達にもそうだと困るなぁと常々心配していましたが、友達同士だと意外としり込みしたりなんならちょっと引っ込むところもあり。7歳ともなると外と内で顔がもう違うんだなぁと実感。あっという間に閉館時間、疲れたけど楽しかった。

・長女が所属している学童保育の遠足(遊園地)に引率として参戦。子ども約50人に対し先生8人、保護者3人。学校の遠足に比べれば大人が十分にいるように思っていたが、いざ集合した様子を目の当たりにすると興奮した小学生の暴力的ともいえるエネルギーが渦巻いていて、一言でいえば既にカオスの予感。この数の児童をケガや迷子なく引率して連れて帰るだけでも奇跡の所業だなとそうそうに実感。心なしか先生たちもピリピリしているが、そりゃそーだと納得。無事に遊園地に辿り着くと班行動で遊ぶ場所や順番を子ども達主導で決める。ジェットコースターやコーヒーカップよりも大型ジャングルジムやミラーハウスが人気で、午前中はそちらに。昼食をはさんで午後は乗り物系を5種類ほどめぐる。後半は子ども達も疲れてきたのか、ちょっとしたことで小競り合いをしたり無口にぼーっとなる様子も。帰りの電車では子ども達が我先に席を確保し、ぐっすり。学童に戻ってから先生が用意してくれた一杯のジュースがメチャメチャ染みた。遠足って楽しい、来年も行きたい。

 

4月も、そしてこれからも、家族仲良く過ごしていこうと思います。