がんになって、よかったこと。

ステージ4の大腸がんになっておこった生活や思考の変化を率直に書きます。ネガティブなことばかりではなく、実はポジティブなことも多いのです。

20180427_休職期間に関する備忘録4‗やりたいことを明確にし、それを実行していくこと、について。

■やりたいことを明確にし、それを実行していくこと、について;

【古い友人や大学時代の先輩後輩に会った】

・闘病ブログを書いていると多くの方に応援を頂きます。一方ここ数年、会社の同僚やパパ友以外とはめっきり会う機会が減っていたので、文字情報だけで僕の状況を見知る方からは、よっぽどガリガリに痩せているのではないか、禿げあがっているのではないかと心配して頂くことも多く、ご迷惑をおかけしていました。

・そんな中、特に大学時代の友人や先輩から会おうよと声をかけて頂くことがあり、体調の良いタイミングで何名かとお会いすることが出来ました。一番長く会っていない方だと卒業以来、約10年ぶりぐらいの再会をする人もいましたが、不思議なものでみんな変わらず若々しくてエネルギッシュでした。

・普段の生活の中ではどうしても平日は仕事仲間、休日は娘の交友関係の延長の人間関係となり、いわゆる自分の『友人』と会うことは少なくなっていました。仕事も家族も関係ない友人との交流はとても楽しく、刺激的で、彼らはみな眩しく人生や仕事を謳歌していて。ああ、負けてられないな、自分も頑張らないとなとエネルギーを会うたびに貰いました。どんなにインターネットやSNSが普及して遠く離れていても簡単にコミュニケーションが取れるようになったとはいえ、やはり会うことで得られるエネルギーは格別でした。お会い頂いた皆さん、本当にありがとうございました。また、お声がけ頂き保留してしまっている皆様、もう少々お待ち下さい。

  

【闘病体験をもとに、取り組みたいことについて資料を作った】

・今回および今までの闘病を振り返ったり、ガンを患いながらも起業や事業運営に奮闘している方々の様子を見るにつけ、自身の闘病体験も何らか人の役にたつのかな、とぼんやり考えています。実際、学校ではがん教育が義務化されていたり、ビジネスの現場でもがんを患う社員に対する配慮などを努力義務として求める法律改正が行われています。JAL伊藤忠商事サイバーエージェント等を中心に、患者ならびに家族に向けたサポート体制拡充を進めている企業も増えてきています。僕自身、がん保険に入らず公的なサポートならびに会社、両親からのサポートを得て闘病生活をしていますが、ぶっちゃけ金銭的なダメージは少なかったですし、治療に関する支出はもしかしたら皆さんが想像されているよりもずっと少ないと思います。また、抗がん剤治療についても必ずしもすべての薬が髪が抜けてげっそり痩せるわけではないです。こうしたリアルな部分についても、お話しできることがあるのではないかと考えています。

・一方、こちらとしては語れること、語りたいことがあったとしても、それを知りたい、聞きたいというニーズはあるのか全く分かっていないのも実情です。もし『金澤の闘病話聞きたいぞー』『ぶっちゃけ〇〇ってどうなの?教えろー』という方いらっしゃいましたら、お気軽にお声がけ下さい。赤裸々にお話します。

 

【メルカリを始めた】

・個人的にはこれが休職期間で得た一番の生活の変化かもしれません。売るも買うも両方やりますが、特に売る方でハマっています。きっかけは1月に入って体が動くようになり始めたころ、妻からリハビリと家の中の不用品整理を目的に勧められました。彼女自身はダウンロードはしていても売買までは行っていませんでした。

・それまでは何となく若い人向けのサービスという印象があったり、もともとそこまでECを積極的に使っていたわけではなかったので、自分がどこまで楽しめるだろうかという疑問もあったのですが、確かにその当時結構不用品が積みあがってきた様子でもあったので、捨てるよりましかぐらいの気持ちでスタートしました。

・結果としては一瞬でドハマりし、今では毎日何度もアプリを立ち上げて売買状況をチェックしている始末です…。

・色んな魅力や特徴がメルカリにはありますが、個人的に一番感じているのは『価値の再発掘』と『地域社会とのつながり』です。

・価値の再発掘については、高校を卒業してから全く吹いていなかったテノールサックスやカバーも外れたボロボロのマンガなど、自分にとってはもう『無価値』だと決めつけていたものでも、試しに出品してみると意外に多くの閲覧があったり、ものの数分で売れてしまうということを何度も体験しました。また、値段設定についても、『ちょっと高すぎるかな…』という値段設定でも意外と購入頂けたりしました。

・捨てれば無価値でゴミになっていたところを、価値を見出して新たな活躍の場に送ることが出来たのは純粋に嬉しかったですし、そもそも価値というのは相対的且つ個人的なんだととても強く実感することが出来ました。

・また、地域社会とのつながりについては、購入者の多くが東京都以外の方が多く、発送時にその地域との繋がりを何となく感じながら品物を送りだしたり、購入者はどういう目的や意図で購入してくれたんだろうと思いを馳せるようになりました(メルカリでは基本的に個人情報はお互い見えないようになっていますが、在住の都道府県までは見えるようになっています)。反面、東京はちょっと足を伸ばせばどんなお店にも行けて何でも買えてしまうので、自分の生活環境がいかに恵まれているかというのも再認識することが出来ました。

・中古品の直接売買というのはフリーマーケット等を通じて古くからありますが、メルカリは既に全世界で1億ユーザーを抱えるお化けサービスとなっています。そしてきっと僕以外にも多くの方がその魅力にハマっていると思います。その背景にはメルカリ特有の簡便な操作性や全国区であることの商圏の大きさ、ユーザー同士の適度な距離感など色んな要素があると思います。こればっかりはやってみないと感じられない違いだと思うので、もしまだやったことがない、もしくは買うばっかりで売ったことがないという方は、是非チャレンジしてみることをお勧めします。必要であればお手伝いもしますので、お気軽にお声がけ下さい。

 

幸か不幸か、これだけ長いお休みを頂くと自分のやりたいことを真剣に探すことが出来ましたし、出来る範囲で新たなチャレンジをすることもできました。闘病以外でもこの期間に意味、価値を見つけることが出来たのは個人的にはよかったのですが、やはり社会とのつながりや生の実感を得られるのは、仕事ですね。

 

あー、仕事したい。

(でも仕事から離れすぎてて戻ることにも緊張してる…職場の皆様、復帰後は優しく受け入れて下さい…。)