がんになって、よかったこと。

ステージ4の大腸がんになっておこった生活や思考の変化を率直に書きます。ネガティブなことばかりではなく、実はポジティブなことも多いのです。

20190205_小学生からの質問への回答_その②

前回のブログの続きです。

子どもたちは、時々無遠慮に、こちらがどきっとするような質問も寄せてくれています。

個人的にはそれでいいと思います。僕は語りたくてこうして顔も名前も公表しているのですから、是非聞いていただき、がんというものの実態、サバイバーの生活を少しでも知って頂きたいと思っています。

そうして、少しずつ少しずつ、がんである人とそうでない人の垣根を低くしていくことが、僕の今の使命の一つだと思います。

 それでは、どうぞ。

 

◆Tさんからの質問:

ノーベル賞を受賞した本庶佑さんがつくったオプジーボについてどう思いますか。

 

⇒薬についての詳しいことは僕はわからないので、オプジーボ単体についての意見は控えます。

⇒ただ、今日本で保険適用されている治療(手術、抗がん剤放射線治療)はどれも副作用や痛みが伴う治療です。がんは、なっても苦しい、治療も苦しい病気だと思います。願わくば、オプジーボをはじめとした、副作用の少ない治療法が早く生まれることを願っています。

 

◆Gさんからの質問:

・生きることができる確率が12.5%と言われたのにそんなに元気で前向きになれた理由が知りたい。

 

⇒まだ生きているから。まだ日常生活が送れるから。確実な死期が迫るまでは、前向きでいられる気がします。

 

◆Bさんからの質問:

・がんと分かった時、どんな気持ちでしたか?

 

⇒Sさんへの回答にも書きましたが、『天罰が下った』と思いました。それまで僕は人に平気でうそをつくし、見栄っ張りで欲張りで、そのくせ努力はあまりしたくない、面倒くさがりでした。食生活も不摂生でお酒もたくさん飲んでいました。そして、自分がとても空っぽの人間だと思っていました。このように不真面目に生きていた人間に、神が天罰を下したんだと思いました。

⇒僕は病気と向き合って、生き方が変わりました。これはきっと、神様がくれた、人生を生き直すためのチャンスだったのかもしれません。

※改めて書きますが、すべてのがん=天罰ではありません。あくまで僕の、自分に対する個人的な解釈です。

 

◆Wさんからの質問:

・人間はどうしてがんになるのですか。

 

⇒僕は医療者ではないので、確かなことは言えません。しかし、多くの医療者が研究を重ねて、原因を探り、効果的な治療を探し続けてくれています。そしていつかきっと、がんを人間は克服すると、信じています。

(そのころにはもしかしたら別の病気がまたがんのように現れるかもしれません。病気と治療というのは、いたちごっこかもしれませんね。)

⇒ちなみに、国立がん研究センターという公的機関が下記のようなサイトでがんのことをわかりやすく解説しています。興味があれば是非アクセスしてみて下さい。

https://ganjoho.jp/public/dia_tre/knowledge/basic.html

 

◆Aさんの方からの質問:

・手術は何時間ぐらいかかったのですか。

 

⇒どの手術もだいたい4~5時間ぐらいだったらしいですが、全身麻酔で寝ていたので長いとか短いを感じることはありません。

 

・今一番したいことはなんですか。

 

⇒こうして皆さんの前でお話するような機会をたくさん得たいと思っています。

 

・がんをたくさんの人に伝える活動をしていますが、どのようにして今後もっと多くの人にがんについて伝えたいですか?

 

⇒やはり、人前でこうやってお話をすることが一番伝わると思いますので、こうした活動を継続したいと思います。

 

・80歳になってがんになったらどういう選択をしますか?

 

⇒なってみないとわかりません。でも、今の僕は抗がん剤の副作用をとても恐れていますので、仮に今、再発をしたとして、抗がん剤治療を積極的に選べる自信がありません。80歳ならなおさらな気がしています。

 

・がんへの思いとは何ですか。

 

⇒僕の人生を補完してくれたもの、です。感謝はしませんが、なるべくしてなったものだと、今では思っています。

 

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