がんになって、よかったこと。

ステージ4の大腸がんになっておこった生活や思考の変化を率直に書きます。ネガティブなことばかりではなく、実はポジティブなことも多いのです。

20190120_小学生からの質問への回答_その①

2018年12月中旬、世田谷区の小学校で【がん授業】をさせて頂きました。

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 授業終了時、子どもたちに感想を教えてほしいとアンケートを配りました。

そして先日、その小学校から、アンケートの束が届きました。

100名以上の児童から、とてもまっすぐな感想と、たくさんの応援を頂きました。多くの子どもたちが驚きとともに聞いてくれて、自分たちの人生に照らし合わせようと必死に理解しようとしてくれたことが感じ取れて、とてもうれしかったです。

 

また、アンケートの中で、質問もいただきました。

すでに学校側には回答させて頂きましたが、とても新鮮な、且つストレートな目線もあって、大人の方々にも是非共有したいと思いブログに転載します。ご笑覧くださいませ。

 

 

Tさんからの質問:

最近、がんなど病気の治療法で賞をもらう方も多く、新しい治療法がどんどん生まれていますが、それに対してどう思っていますか?

 

⇒頑張って、急いで開発してほしいと思っています。それは、僕のためではなく、将来がんになるかもしれない皆さんの世代のためです。

⇒過去、人間の歴史ではペストやコレラ、黄熱病など、『死の病』と形容される大きな病気がたくさんありました。でも、それらの病気は、たくさんの医師や薬剤師、研究者の努力によって薬が開発され、治る病気になっています。がんもきっと、いずれ、そういう治る病気になります。いまはまだその途中です。たくさんの医師や薬剤師、研究者が頑張ってくれています。みなさんが大人になるころにはがんが『治る病気』であるように祈っています。

 

Kさんからの質問:

4回も手術をしてこわくなかったですか?

 

⇒一回目は、『これで治してもらえる』という安心感のほうが強かったので、実はあまり怖くなかったです。

⇒二回目以降は、毎回怖かったです。全身麻酔で深い眠りに入り、全身丸ごと、命ごと医師や看護師に委ねるというのは、とても緊張します。手術が終わり、看護師の呼びかけで起きるとき、いつもとても安堵していました。

⇒でも、医師も真剣に僕を治そうとしてくれるわけですから、怖いですけど、信頼しています。

 

Sさんからの質問:

がんと向き合ったとき、どういう気持ちだったのでしょうか。

 

⇒最初に告知を受けたときは、『今まで不真面目に生きてきた自分への、天罰なのだろうか』と考えていました。そして、今もその考えはずっと頭にあります。科学的な理由はもちろん別にあるでしょうが、僕にとって、がんであることを受け止めるための一番しっくりくる理由が『天罰』です。

※がんである人全てが『天罰』としてがんにかかっているわけではありませんし、もちろんですががん=天罰に科学的根拠はありません。聡明な皆さんは誤解しないと思いますが、念のため。どうか誤解しないでください。僕の個人的な、不真面目に生きてきたそれまでの人生への戒めです。

 

Mさんからの質問:

自分が(残り)4年の中で死んでしまうかもと思いながらも笑えるのはなぜでしょうか。

 

⇒今のこの日常が、とても楽しいからです。皆さんの前で、先生として立てたことがとてもうれしかったからです。苦しい治療や入院生活に比べれば、仕事や講演ができるこの日常がとても自由で楽しいからです。

⇒死は、誰しもに平等に訪れます。そして、たとえ生きる時間が短くても、思い残しがなければ、きっと納得はできると思っています。思い残しがないように、やりたいと思ったこと、伝えたいと思ったことは、出来る限り元気なうちにやろうと思っています。そうすれば、泣く暇がありません。

 

Mさんからの質問:

ポジティブに生きる秘訣とはなんでしょうか?

 

⇒秘訣、と言えるかはわかりませんが、『応援してもらう』ことではないでしょうか。そして応援してもらうには、『僕は○○を実現したい、頑張っている、応援してくれ!』とストレートに思い、言葉にし、伝えることだと思います。人は一人では夢を実現できません、周囲の応援やサポートが必要です。絶対に。僕も皆さんの前に立つためにたくさんの方の応援とサポートをもらいました。そして授業をさせてもらうことができました。応援に感謝しているし、その期待に応えたい。その好循環が僕をポジティブにしてくれているんだと思います。

⇒皆さんの感想にも、多くの『応援しています!』という言葉がありました。本当にありがとうございます。

 

 

 ここまででだいたい半分です。次回は近日中に公開します。