がんになって、よかったこと。

ステージ4の大腸がんになっておこった生活や思考の変化を率直に書きます。ネガティブなことばかりではなく、実はポジティブなことも多いのです。

20200916_アフターコロナに残したい就労の変化について

一年半ぶりのブログ。

長らくお休みしていたけど、僕を知る友人たちは僕が昨年から今年の頭にかけてどこでどんな活動をしていたかしていたのかご存知だろうから、間の出来事については割愛する。

 

コロナ禍が続いている。

東京ではまだまだ連日2桁後半~3桁の感染者が出ており、街を歩いたり人と接するときはマスクをはじめとした感染対策が必須となっている。いつ落ち着きを取り戻すのか。マスクや距離感を気にせず人と接することが出来る日はくるのだろうか。不安だけれども、慣れている自分もいる。だって、もうこれが日常だもの。

 

そして、コロナ禍は生活を大きく変えた。働き方も。

そしてそれは、がんと就労ならびにダイバーシティに関わる人々がある意味で望んでいた変化だと思っている。

例えば;

在宅ワーク/リモートワークの浸透:治療時の自宅療養、通院、副作用等による体調変化にも対応した働き方として特に望んでいた働き方。

・時差出勤やフレックスの浸透:体調を崩しやすいサバイバーにとって、決まった時間に決まった場所に行くのは結構大変。

・飲み会が減った:アルコールが飲めなかったり食事制限や排泄等の変化がある人からすると、飲み会に参加することは結構な心理的ハードル。それが無くなった(もしくはオンライン飲みに切り替わった)のは結構大きい。

・罹患への恐怖、への共感:がんは再発リスク等目に見えない恐怖と戦う日々がある。コロナに罹らないよう神経をすり減らす日々は、がんサバイバーの見えないリスクと向き合う日々と似ている気がする。

・体調不良者への温かい対応とサポート:体調不良者を適切に管理し、組織として適切にサポートすることが定着しつつあるのはがんに限らず多くの疾病罹患者や介護・子育てを担うビジネスパーソンにとってとても嬉しいことだと思う。

 

世界で3000万人近い罹患者と100万人近い死者を出している恐ろしいウイルスに立ち向かうためにもたらされた変化。良いこととして取り上げることには違和感はあるけれども、でもがんと就労の両立を声高に叫んでいた身としては、これらの大きな変化は、自ら望んだものがするすると手に届く不思議な実感を持ったことも事実です。

 

多くの医療者の皆様の努力と、全世界的な感染予防の努力の先には、いずれコロナに打ち勝つ日が来ると思いますが、その日が来たら生活も『コロナ前』に戻してしまうのはよくない。せっかく進んだダイバーシティや病への理解を過去のものにしてはいけない。

 

 

そして、コロナ前よりも『働きやすくなった』からこそ、我々がんサバイバー側もただ働くだけではなく、組織の一員として上司・同僚とともに成果を追求する関係性が真に求められる時代に突入したと思います。

 

病に囚われず、対話と理解を通して、伸びやかに働ける時代を目指して。