20170909‗お酒に呑まれなくなったこと。
僕は病気をするまで、お酒が大好きでした。
学生時代から社会人生活に至るまで飲み会では率先して量を飲んでいましたし、記憶を飛ばして痴態をさらすこともしょっちゅう。
平日はほぼ毎晩、晩酌と称して缶チューハイをぷしゅ。
普通のではなくストロング、350mlではなくロング缶。
外食に行けば、まずは生。次いでハイボールかレモンサワー。
ほんと今思うと、アル中かと思うほど、飲んでました。
味や風味なんかはどうでもよくて、酩酊感を味わいたい。
気持ちよくなって、嫌なことを忘れたい。
お酒の力を借りて、思ったことを言いたい。
もともと小心者の臆病者だったので、きっかけや勢いがないと前に進められない性格でした。加えて打たれ弱くてマイナス思考なので、すぐに逃げ場を求めました。
お酒は格好のドーピング剤であり、精神の逃げ場所でした。
30を過ぎても酒量は落ちず増える一方でしたので、お腹が出始め体重がどんどん増え、体型への不安も感じていたことを今でも覚えています。
そしてがんになり、僕はそれまで嵌まっていたお酒の泥沼から抜け出すことができました。
病気をしてからは、当然ながら酒量はぐっと減りました。
全く飲まないわけではないですが、当時に比べると無に等しいです。
嬉しい変化としては、
まず、金銭的な余裕が生まれました。
飲み会や晩酌代が減ったので、その分を家のことに率先して回すことが出来ます。外食時もお酒は頼まないので、以前よりぐっとエンゲル係数は下がった気がします。外食って、お酒飲まないとお会計が全然違いますね。
また、がん患者がいうのも変ですが、健康的になりました。
当時は緩やかに体重が増え続け軽肥満でしたが、今は適正体重をキープ。LじゃなくてMが入ることが密かな喜びです。
そして、物事にきちんと取り組むことが出来るようになりました。
毎日のように飲んでいた時は、
お酒を飲んで仕事のストレスを緩和させて、
お酒の力を借りて言いたいことを言って、
お酒の勢いで何とか家事をするような、そんな生活でした。
素面の状態で物事に向き合ったり考えたりすることが、いつの間にかとても億劫になっていました。
でもお酒の力を借りずに仕事と向き合い、人と向き合い、家のことと向き合うことが出来るようになりました。小さな勇気の積み重ねや、大人としての自覚が(今頃)芽生えてきた気がします。
…こうして書いていると、ほんと、病気前はアル中でした。
見かねた神様が『飲めないようにしてやろう』と気を利かせてくれたのだと、
結構本気で思っています。
ありがとうございました。
もちろん、病気後も全く飲んでないわけではありません。
現在は抗がん剤治療をはじめてますのでノンアルコールですが、投薬等していない時期は月に2~3度ほど、家で飲んでいました。
ご褒美感覚の酩酊感を、やっと楽しめるようになりました。
皆さん、お酒は、ほどほどに。