がんになって、よかったこと。

ステージ4の大腸がんになっておこった生活や思考の変化を率直に書きます。ネガティブなことばかりではなく、実はポジティブなことも多いのです。

20180411_休職期間に関する備忘録2‗マギーズ東京で気持ちを固めた日について。

■マギーズ東京に行ったこと。

・前回のブログで書いた怒涛の一日が明けて翌日。いつも通り子ども達を保育園、学校に送り出したあと、僕はマギーズ東京に行きました。

・マギーズ東京とは予約なし、無料で行けるがんに関する相談施設です。看護師や心理士の方も常駐しているということなので、重い話も思い切って出来る(だろう)し、せっかく生きる方向に向いたこの気持ちをしっかり応援してくれるだろうと期待して、向かいました。

・とはいえ初めてお伺いする、病院以外のがん関連施設。どんな話が飛び出すかわからないし、自分もどういう感情、意思決定で帰って来れるかまだ不安な部分があり、行きの道では結構緊張していました。

ゆりかもめの新市場前で降りて5分ほど歩くと、川に面した綺麗な木造平屋が見えました。窓が大きくて広々としている様子が外からも見えて、居心地がよさそうな。入口に立つと女性の方に『いらっしゃい、スリッパどうぞ。どこでも好きなところに腰かけて下さい。』と促されました。中には大きなテーブル席やこじんまりしたソファー席などいくつかの席があり、僕は奥の方にあるこじんまりしたソファー席に向かいました。

・席に座るとお茶ともみじ饅頭を出してもらいました。副作用の関係上冷たい飲み物が飲めないことを察してくれて『温かいほうがいいですよね?』と温かいお茶を自然と出してくれたことに、この施設のプロ性を感じることが出来て一気に安心したのを覚えています。

・そして最初に案内してくれた女性が『今日は看護師が来ているので、その方にお話聞いてもらいましょうか?』と提案頂き、お願いしました。

・5分ぐらい待つと、同世代か少し年上っぽい女性が来てくださる。ニコニコした笑顔が印象的で、『今日はどうされました?』みたいな感じで促された。病院の問診みたいに名前とか病巣をあらかじめ聞くことはなく、来た人の話したいことを話させる、そして聞く、というスタンスなんだなと瞬時に理解できました。

・『勇気をもらいに来ました』と僕は告げ、それから僕はこの4年間について、そして昨日の出来事について話をしました。

・話しながら、何度も何度も泣きました。看護師さんは相槌を打ってずーっと話を聞いてくれました。意見をはさんだり他の事例をあれこれ言うのではなく、ただじっと話を聞いてくれて、それがとても心地よくて、安心して自分の弱い部分をさらけ出すことが出来ました。

・90分ほどずーっと自分語りをして、一通り話し終えたらすごくすっきりしました。何か特定の言葉を貰ったわけではないのに、気持ちはしっかり固まった気がして。その後はマギーズの設立をされた鈴木さんを尊敬しているという話やキャンサーペアレンツの西口さんは精力的ですごいみたいな、がんサバイバー的世間話をして、施設をあとにしました。

・話し終えて気持ちが固まるとお腹が空くもので。乗り換え駅の豊洲でラーメン食べて帰りました。

 

・翌週、診察に行き、担当医から『どうでした?』と聞かれ、『ご迷惑おかけしました、治療継続します。』と伝える。担当医の『でしょ?』的なドヤ顔にちょっと恥ずかしさを感じたものの、自分の人生に必要な1週間を与えてくれた担当医には感謝を感じました。結論を急がなくてよかった。

・2回目、3回目の点滴とそれによる副作用はやはり決して楽ではなく、何度も心が折れそうになりましたが、この2日間のことが今の僕の心の支えとしてあるからなんとか踏ん張れています。

 

・そして今日、今回の治療計画最後となる4回目の点滴を行ってきます。がん殲滅を信じて、ラストバトル行ってきます。