がんになって、よかったこと。

ステージ4の大腸がんになっておこった生活や思考の変化を率直に書きます。ネガティブなことばかりではなく、実はポジティブなことも多いのです。

20170928‗人は皆、何かを抱えて生きていること。

 

がんをカミングアウトしてから、『実は私もこんなことがあって…』という貴重な体験談を聞く機会が増えました。

 

・20代で早期がんに罹患した方の、経験からくる結婚観。

・お父様をがんで亡くされた方の、シンプル且つ強固な死生観。

・30~35歳の5年間原因不明の寝たきり生活を経て、現在精力的に働いている方の、謙虚で誠実な仕事観。

・難病指定の病気を抱えていらっしゃる方の、精神的な救いに関する宗教観。

・10~20代のころに多くの病気に罹り、死に様に拘りを持つ人生観。

 

がんに罹ってから時々、自分を悲劇の主人公と勘違いして、悲観的な情報に酔ったり自分勝手に思いを吐露したり、感情を爆発させたり、周囲の優しさに必要以上に甘えたりしていました。がんだから、自分は可哀想な存在だからそれが無条件に許されるのだと、さらに勘違いしたりしました。

 

でも、上記の方々とのお話を通して、改めて思い知らされました。自分は特別可哀想な存在でもなんでもなく、皆それぞれ何かしらの苦しみ悲しみを抱えていて、自分の現状も、その一つである。オンリーワンではなく、ワンノブゼムである、ということ。違うのは、苦しみ悲しみの種類だけ。

 

人は皆、それぞれに何かしらの苦しみや悲しみを抱え、それでも毎日を明るく生きている。生きようとしている。

日常生活の中では交わさないし、わざわざ確認することではないけれど、忘れがちな、当たり前の事実。

 

人生には良いことも悪いことも起こる。

良いことだけを望むけど、苦しみや悲しみは少ないほうがいいけれど、でも、人はそれぞれの人生で、(おそらく平等且つ等分の)喜怒哀楽を抱えて、生きている。

 

 

どんな苦しみも、特別ではないこと。

どんな悲劇も、一人ではないこと。

 

特別ではなく、一人ではない。

だからこそ、救いがあること。

 

※暗い内容が続いてすいません、僕は元気です。