がんになって、よかったこと。

ステージ4の大腸がんになっておこった生活や思考の変化を率直に書きます。ネガティブなことばかりではなく、実はポジティブなことも多いのです。

20171009_世界の中心は自分であるということ。

 

たとえば、毎日おいしいものばかり食べていれば、この世界にはなんと美味しいものが多いのだろうと思う。

たとえば、周囲に優しい人が多ければ、この世界にはなんと優しい人が多いのだろうと思う。

たとえば、たくさん楽しい場所に行っていれば、この世界にはなんと楽しい場所が多いのだろうと思う。

 

たとえば、毎日食べるものがおいしくなければ、この世界にはなんと苦痛を伴う作業があるのだろうと思う。

たとえば、周囲に人がいなければ、人口74億人といえど、この世界はなんと孤独だろうと思う。

たとえば、自分がどこにも行けなければ、世界とはなんと遠く感じるものだろうと思う。

 

つまり、自分が体験したことや直接見聞きしたり感じたことが、自分の目から見える世界を定義する、ということ。

 

今回抗がん剤治療を始めて、強い副作用を体験して、世界とは自分の在り方次第でこうも大きく変化するかと痛感しています。

 

たとえば、今僕が使っている薬は、点滴注入直後~10日間ぐらいは、味覚と触覚に変化があります。

味覚については、冷たい飲み物が口の中でフローズンドリンクや強い炭酸飲料を飲んだ時のようにシュワシュワとした違和感が広がり、且つ喉を通るときにはいがらっぽい違和感があります。また、常に舌にねばつくような違和感があり、味の有無にかかわらず、水分をとることが凄く億劫になります。

また、触覚については、手足の指先が常にピリピリするのと腕自体に力が入らないので、パソコン作業はもちろんのこと、起きて本を読んだりすることも億劫になります。また、口腔内同様冷たいものを触ったときにピリピリとした違和感があるので、手を洗ったり冷蔵庫を開けて中のものを取り出すこともすごく億劫になります。

 

上記期間中は、世界はなんと自分に冷たいのだろう、世界はなんと生きづらいものだろうと思います。普段の生活が非常に居心地よく幸せだからこそ感じるギャップに、愕然とします。

 

反面、副作用が落ち着いてきて食べ物飲み物がおいしく感じたり触れるものに違和感がなくなってくると、世界はやはり美味しく、素晴らしいものに溢れているなと、改めて思うようになります。

 

自分の在り様で世界はこうも表情をかえるのか。

これはきっと体に限らず心も一緒で、自分が穏やかで優しい状態であればあるほど、そういう人や行いが自分の周囲で行われ、結果穏やかで優しい世界になるのではないか。

戦争や政争のことは置いといて、自身の周囲、自分の生きている世界はそうなるのではないかと思っています。

 

大きいことをいうつもりはないですが、世界の様相は自分の在り方次第で変わることを、覚えておこうと思います。

 

世界の中心は、自分であること。