がんになって、よかったこと。

ステージ4の大腸がんになっておこった生活や思考の変化を率直に書きます。ネガティブなことばかりではなく、実はポジティブなことも多いのです。

20180123‗入院生活備忘録1‗入院~手術まで

ニーズがあるかどうかわかりませんが、せっかく自分が経験したことでもあるので、今回の入院の様子をまとめてみました。文章量が長くなってしまったので3~4部作に分けています。もし過去に内臓疾患で入院されたことがある方はその時の経験との比較に、入院や手術の経験がそもそも無い方は(来ない方がもちろんいいのですが)いずれご自分や自分自身の大切な人に来るかもしれない日に備えて、参考になれば幸いです(がんの生涯罹患率は50%ですので)。

 

なお、取り繕ってもしょうがないので極力自分の生の言葉で書いています。万が一ご気分悪くなる方がいらっしゃれば、すいません。

 

■病院および病室の基本スペック

・湾岸エリアにある海の近くの専門病院。入院していたフロアは10階、窓が大きく作られていたこともあり眺めは最高。東側にあるデイルームからは海と橋、北側の廊下からは汐留などの都市群、西側には東京タワーと富士山が見えた。散歩し甲斐のある病棟。

・部屋は病院側の都合でなんと個室。追加料金なしで個室は相当嬉しい(通常は1日1万円以上かかる)。ただしナースステーションの隣で且つナースステーション側の壁にも(カーテンが閉じているとはいえ)ドアと窓があるため、常に看護師さんの気配はなんとなく感じる。

・がん専門の病院で入院患者が多いこともあり、デイルームは読み物、特にマンガが充実。昔途中まで読んでいたシリーズやいつか読んでみようとぼんやり思っていたものがいくつかあったのでそれらを入院中は借りていたため基本的に入院生活はマンガライフが相当充実していました。

 

■入院初日~手術前々日まで 12/1,2

・基本的にはフリーダム。検査予定もなく、点滴等何か管がついているわけでもないので行動が制限されることもない。とはいえ病院のルール上パジャマでいなきゃいけないし、パーソナルスペースである部屋(個室)は中央にベッドがあるのでどうしても寝っ転がってしまうので、廊下に置いてある椅子やデイルームでマンガや本を読むことが多かった。

 

■手術前日 12/3

・胃腸をからっぽにするための食事制限が開始される。日中から食事NG、飲み物と飴のみ。酸っぱくて飲みずらい液体の下剤(コップ一杯分)も飲む。

・手術の際に様々なテープを体に張るようで、体毛をそられる。手術の範囲及び体毛量によって剃る場所や範囲はまちまちのようだが、僕の場合は両太ももとお腹、そして下腹部を剃られる。びっくりしたのは剃り方。僕はベッドの上で寝っ転がって、看護師さんに言われるがまま服を上げ、ズボンを下すと看護師さんはバリカンでいきなりジョリジョリかりだす。毛がバラバラベッドや衣服に落ちるがお構いなしに続けていく。そして作業が終了すると部屋に落ちてる毛を取るコロコロで掃除する。コロコロの吸着力は思っていた以上に強く、ベッドはすぐにきれいになりました。

・メンタル面では、やはり緊張感はあったため、いつもより落ち着かない、そわそわした気持ち。マンガを読んだり家族と電話することで、必死に落ち着けていました。

 

■手術当日 12/4

・いつも通り朝6時起床(病院は基本的に6時起床、22時消灯がルーティーン)。毎朝のルーティーンである体重測定、体温計測を終え、紙パンツと浴衣状のレンタルパジャマに着替える。

・妻が7時40分ごろに病室に来る。たわいもない話をして気を落ち着かせる。

・8時過ぎ、看護師が呼びに来る。妻と看護師の3人で職員専用エレベーターへ。

・手術室は3階。到着すると少し長い廊下を歩く。突き当りに自動ドアがあり、そこに何組かのご家族が立っている。手術室スペースへと続く専用自動ドア。ここで妻と一時のお別れ。

・自動ドアをくぐるとそこは無機質な部屋というか待合スペース。奥にまた自動ドア。その手前で既に何人かの先客がそれぞれ看護師から最終チェックを受けている。個人情報の確認やコンタクト等の装着の有無の確認。過去の手術から数えてこのやり取りは通算4度目、さすがに慣れたもの。

・確認が終わると移動を促され、目の前の自動ドアをくぐる。道が左右に分かれていて、どちらにも手術室のドアが並んでいる。右側手前から三つ目の部屋に案内される。看護師さんに聞くとこのフロアにざっと30近い手術室があり、毎日稼働しているらしい。

・ベッドは十字型。寝転がると両腕を左右に伸ばすよう促され、それぞれ手首を固定される。磔にされた気分。心電図測定で胸にペタペタ吸盤張られたり左腕で血圧や点滴取られたり、背中に麻酔用の注射と点滴をしたりと、色々忙しい。

・そして酸素吸入器を口にあてがわれながら、点滴を通して全身麻酔。体感としては5秒もしないうちに意識がなくなる。魂が体から無理やりはがされるような。通常の睡眠とは全く違い、一気に意識が遠のき、暗転。

 

続きは次回。