がんになって、よかったこと。

ステージ4の大腸がんになっておこった生活や思考の変化を率直に書きます。ネガティブなことばかりではなく、実はポジティブなことも多いのです。

20180112‗人は(絶対に)1人では生きていない、ということ。

大人になって、働いて、一定の収入を得て、自分で生活を確立できるようになると、【人間は一人でも生きていけるな】と思う瞬間、ありませんか?

 

僕は、独身時代に1人で過ごす土日なんかはぼんやりそんなことを考えていました。もともと交友関係が広いわけでもなく、一人の時間が好きなこともあり、土日は無理に予定を入れず一人でいることが多かった気がします。

 

スーパーやコンビニで食料品は概ねそろうし、家電はどんどん便利になっていくし、都内に住んでいれば娯楽にも困りません。もともとテレビっ子&マンガオタクなので、むしろ家が一番の憩いと癒しの場でした。最近ではスマホタブレットの進化に伴い娯楽も生活サービスも充実してきていますので、最近の独身者の方はさらに人と関わらなくても生活が十分に営めるようになっている気がします。

 

 

反面、闘病生活を過ごしていると、僕は本当に多くの方に生かされているなと思います。

 

治療においては外科の医師、化学療法専門の医師、それぞれの領域の看護師が僕のために治療方針を定め、治療を実施してくれています。

日々の生活においては母や妻が僕の体調を考慮しながら食事や育児をサポートしてくれています。

仕事においては上司、同僚が僕の仕事を巻き取ってお客様に極力迷惑がかからないようサポート体制を作ってくれています。

お客様においてはこんな面倒くさい担当に対しても温かい言葉をかけて下さります。

友人関係においては、体調の不安定さからお茶の約束もなかなか守れなくなってしまった僕をそれでも温かく応援してくれていたり、嫌な顔せず次の予定を立ててくれます。

 

僕一人が生きるために、パッと数えるだけでも数十人の方が大小何かしらのサポートをしてくださっています。自分にそこまでの価値があるのかどうか、時に自問自答しますが、きっとあるんだろうと開き直り、目の前の闘病に専念しています。

僕に関わってくださっているすべての方に日々本当に感謝の念を感じております。ありがとうございます。

 

そして翻って考えてみると、健康な時でも無自覚なだけで、自分一人の生活や命を支えてくれるために多くの方が関わっているのだなと思い返します。冷蔵庫の中に何げなくストックされている卵でさえ、養鶏場の方やJA職員やイトーヨーカドーの店員さんや…数えあげたらきりがないぐらい多くの人が関わって我が家の冷蔵庫に辿り着いています。

健康で健全な生活をしていると、その生活があまりに当たり前すぎて有難みはいまいち薄いですが、それでも今の我々の生活は多くの関係性の中で成り立っていて、一人では絶対に実現していないことも事実です。闘病生活が終わってもこの感謝の気持ちは忘れないようにしないよう、心がけたいと思います。

 

今年は個人的に、闘病生活ラストイヤーにしたいと思っています。

最終決戦、しっかり勝ち切ってきます。

 

今年も何卒、よろしくお願いいたします。