がんになって、よかったこと。

ステージ4の大腸がんになっておこった生活や思考の変化を率直に書きます。ネガティブなことばかりではなく、実はポジティブなことも多いのです。

20170920_いのちの使い方を考えるようになったこと。

 

東証一部上場企業の株式会社リブセンス様。

担当企業様ではないですが、勝手ながら注目させて頂いている企業様の一社なので、時折HPやIRを拝見しておりました。

 

先日、採用HPをリニューアルしたとの情報がSNSでシェアされてきたので、何の気なしに拝見いたしました。

 

https://recruit.livesense.co.jp/

 

転職支援の仕事をして約10年、企業様の採用HPを見て初めて衝撃を受けました。

 

まず目に飛び込んできたのは、『いのちのつかいかた』という言葉。

そして、スクロールしてすぐに書かれている、3段落17行のメッセージ。

最初の1行目が、また鮮烈。

『人生には必ず終わりがある』

 

そこから有限の命の使い道として自社の存在意義、社員の取り組んでいる姿勢などを語り、最後に投げかけてくる言葉が、

 

『あなたなら何のために自分のいのちをつかいますか?』

 

自分がここ数か月ぼんやりと考え続けていることが、非常にシンプルかつストレートな言葉でつづられていました。

 

僕は2017年の6月末に受けた定期健診で、2度目のがん転移が見つかりました。

肝門部リンパ節という、肝臓の裏側・リンパ腺や胆管や血管など、人体にいくつかあるスクランブル交差点のまさにど真ん中にがんが棲みついています。

今後複数個所への転移が可能性として想定され、治療のガイドライン上、予後は不良。

過去の統計から出る5年生存率は、10%台です。

 

もちろん治療の真っ最中ですし、数字はあくまで過去の累積からくる統計結果ですし、病気の状況と治療の効き方は個人差があるケースバイケースのものだと思っていますので、今となってはあまり気にしてません。

生きるか死ぬかなんて、誰のどんな状況においてもフィフティフィフティです。

 

とはいえ、追い込まれているのも事実。

自分の『残り時間』をどう活かすか、意識しています。

急に慣れないことは出来ないので、まずは出来る範囲をきちんと、父として夫として息子として友人として先輩として後輩としてコンサルタントとして、自分の役割を果たしていこうと思います。

 

自分の役割。自分のいのちの使い方。

 

リブセンス様の問いかけに応えるとしたら、僕は『より良い未来を作ってもらうこと』に自分のいのちを使っています。

 

まず、仕事に関する話。

僕の仕事は仲介業なので、僕自身が未来のために何かを生み出すことは、残念ながらしておりません。ただし、僕の担当する企業様はいずれもより良い未来を創ることに真剣で。僕が生み出せない代わりに、お客様に未来を託し、その未来が一日でも前倒されることを願って僕は僕の信じる方々をご推薦しています。

 

続いて、プライベートに関する話。

仮に僕が自分の予定より少し早くこの世を去ったとして、それでも妻と娘は日常を過ごし、生きていく。彼女たちが少しでもより良い未来の中で過ごしていけるよう、衣食住を整えたりサポートして頂ける環境づくりをしています。娘たちが、父親が仮にいなくなったとしても、その面影やメッセージを思い出してもらえるよう、少しでも多く、濃密に過ごしていきたいと思います。

 

最後に、患者としての話。

がんは毎年100万人近い人がかかる病気になってきています。そして、治療法が進化してきているとはいえ、ステージによっては死が身近になる病気でもあります。僕としては、そのプロセスを極力つまびらかにすることで、この病気の実態に関する認知を高め、今後かかるだろう、もしくは家族友人にがん患者を持つだろう人々のための情報源に少しでもなれればと思います。

 

自己満足ですが、僕のいのちの使い方が、少しでもより良い未来づくりにつながっていけば幸いです。

 

※株式会社リブセンスの関係者がもしいらっしゃったら、勝手に採用サイト引用しましてすいません、どうぞお目こぼしいただけますと幸いです。

※こんな悲壮感漂うこと書きながら、しれっと還暦まで生きてたら面白いですね。